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「ハッ? 付き合った事もないのにどうして分かるんだよ」 「だって男の子ってそういうの(●●●●●)ないと駄目でしょう?」 「そんな事ないよ。俺は大丈夫だよ」 「本当?」 「ああ。だから頼む! 俺と付き合ってくれ」 拓はそう言ってひざまづいて右手を真子に差し出した。 まるでプロポーズのような姿勢だった。 その時、可愛い子犬を連れた上品な婦人が、 「頑張って下さい!」 と拓に声援を送る。 「ありがとうございますっ」 拓はその婦人に対し、ニコニコしてお礼を言った。 そんな拓を見て、真子は思わずクスクスと笑い始める。 そこで拓が再び言う。 「宮田さん、お願いしますっ!」 拓は今度は手を伸ばしたまま頭も下げた。 すると今度は通りかかった男性サーファー二人が、 「男子高生、頑張れっ!」 「健闘を祈るっ」 と拓に向かって次々に声をかけた。 思わず真子の頬は赤く染まる。 「分かったわ」 そう言って、拓の右手を掴んだ。 「ひゃっほーいっ!」 拓の叫びを聞いたサーファーの男性二人は、笑顔で振り返ると、 「やったな、男子高生!」 「おめでとう!」 と笑顔で盛大な拍手を送ってくれた。
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