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拓と真子が付き合い始めた事は、次の日にはもう学校中に広がっていた。 それは、昨日拓と真子が自転車に二人乗りをしていたのを目撃した生徒が 何人もいたからだ。 真子は学校へ着くと、すぐに友里に質問攻めにあう。 「長谷川君と付き合う事になったって本当なの?」 「うん、そうだよ」 「ひゃーっ! びっくり! まさか三年の受験で忙しい時期に二人が結ばれるなんてねぇ...きっと長谷川ファンも油断してたんじゃない?」 「そうなの?」 「そうよ! 受験が終わったら告白するって言っている女子は結構いるもん」 「そうなんだ。知らなかった」 「でも私としては嬉しいよ。真子は今まで彼氏は作らないって意固地になっていたからさぁ...なんか感無量っていうか」 「あはは、友里ってば、なんかお母さんみたい」 「フフッ、母心も少しはあるよ! だって真子とは小学校時代からの付き合いだからね」 「はいはい、いつも心配してもらって感謝してるよー」 真子は友里にニッコリと笑った。 「それにしてもまさか長谷川君とねぇ...」 まだ友里は信じられないといった様子だった。 そこで今度は真子が言う。 「友里こそ、森田君とはどうなのよ?」 森田とは森田敦也の事で、拓の親友だ。 敦也もかなりのイケメンで、 拓と敦也はいつも一緒にいるので、我が校のイケメン二人組として 他校の生徒達にも有名だった。 友里は過去に彼氏がいたが、今はフリーだ。 そして今は森田敦也に恋心を抱いている。 元々好きな相手には素直になれない友里は、 つい敦也に対して冷たい態度を取り続けている。 しかし真子から見ると、それが返って良い効果をもたらしているようにも見えた。 拓と同じくらいモテる敦也は、 友里の冷たい態度が気になって仕方がないようだ。 そんな友里の態度が功を奏して、 最近では敦也から友里にちょっかいを出して来る事が増えていた。
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