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三途の川で一人ずっと流れていく魂を眺めている 流れていく魂 その一つ一つは美しくまるで河に咲く花のよう 流れ着く先は何処かは分からない 先の見えないとても長い川 何故私だけ流れる事も出来ず 一人こんな所に居るのだろう… それは多分… 命が終わる時に 「転生」を望まなかったせいかもしれない 何度も転生を繰り返し 愛する大切な人を求め探し やっと見つけたのに 結ばれる事は叶わないと分かった瞬間 また来世に希望を求める事はしないと決めた 今世が最期 結ばれないなら 一人命を終えて 永遠に三途の川の淵で流れていく魂の花を見送り続けてた方がいい こうやってずっと眺めていれば 愛するあの人の魂もいずれ流れてくるはず その魂をすくい上げ あの人の心を感じ 優しく抱き締めて そして… 終わりの見えない川の流れに戻して そしてあの人の魂を見送ったら 私はまた一人三途の川の淵で流れていく魂を 眺める 転生は望まない あの人に会えた今世にずっと居続ける事が 私の願い 転生してまた求めて探して そして見つけて また結ばれない来世が来るのが怖い… だから私は転生を望まずに 命を終わらせた 三途の川を流れていく魂達 どんな人生を歩んでも 魂は美しい華 それを見送り続けるだけの私
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