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世の中には『支配する者』と『支配される者』がいて、それらは産まれ落ちた時から定められている。
自分が支配される側の人間だと知ったとき、驚くことも落ち込むこともなかった。ずっとそういうものだと思っていたからだ。
「愛佐、《おいで》」
「……はい、会長」
脳が幸福で満たされる。制御剤で誤魔化し続けていた欲求を彼は満たしてくれる。
甘い声と絶対的な支配と共に。
俺は犬だ。会長の犬。他人からどう揶揄されてもどうでもよかった。
放課後のプレイだけが俺の褒美であり、至福の時間だった。
俺の飼い主は、俺だけの飼い主ではない。
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