Buddies

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Buddies

cde2d358-91c9-42a6-8aa0-f327d58477aa やがて開場となり自分はその待機列に並び。 e16b3645-18f0-4847-82e9-2595d614707c そして、開演。そして終演。 すごい熱量のライブでした。 「ソニア」のセンターを務めた遠藤理子さんの表情には目が離せなかった。「マンホールの蓋の上」の村山美羽さん(右下)のドスの利いた煽りには背筋が伸びた。そして、ほぼ一年ぶりの本格復帰となる遠藤光莉さんセンターの「隙間風よ」での魂の籠った表現には涙が止まらなかった。年を取ると涙もろくなるのでした。 それにしても彼女たちのパフォーマンスに比べ、自分のこの文章の表現力の拙さよ。 自分は人の列に紛れ会場から京浜幕張駅に移動すると、東京行の電車に乗りました。終点が降車駅。運良く座れ、スマホを立ち上げると、XでBACKS LIVEを検索してみました。すると次々に引っ切りなしに上がってくる感想の投稿。その多くがライブの感動を伝えていた。今まで自分が観たすべてのライブの中で一番とまで書いてくれている人もいる。こうしてライブの感動を見知らぬ誰かと共有する感覚はちょっと前まではあり得なかった。SNSは使い方次第、諸刃の刃だけれど、自分はその最も有効な使い方を今しているという実感がありました。 車内は殆どがライブ帰りの人たち。 櫻坂46のファンにはBuddiesという名称があります。 これは、ファンというものからもう一つ踏み込んだ呼称。それだからこそ、自分はこの呼び方には抵抗があった。気まぐれでいつファンを辞めるかわからない自分みたいなものが、「仲間」の内の一人なんて恐れ多い。 でも、その認識が変わったのが、去年の11月、ZOZOマリンスタジアムで行われたアニバーサリーライブの帰りでした。最寄り駅は同じ京浜幕張。自分は同じように東京行の電車に乗っていましたが、途中で眠ってしまった。気付くと自分の肩を叩くものがいる。見知らぬ若い男の人。彼は「東京、着きましたよ」と一言、さっさと電車を降りて行ってしまったのでした。 自分もBuddiesと思われてるんだな。 その時初めて感じた。 そういえば、ライブ会場はお互い譲り合い、気を使い合いと言う気持ちにあふれていました。全く知らぬ者同士が、パフォーマーの方だけを向いているという場所ではなかった。この集団はファンを越えた何かなのでした。 そんなわけで今は自分も、Buddiesから人気ランキングなどの投票の呼びかけがあったりすると、積極的に協力しています。ただならその位の労は惜しまない。お金のかかるものはちと別だけど。 電車は東京駅に着き、乗り換えて乗り換えて。 自分の住む町の最寄り駅に着いた時にはもう12時近かった。車での迎えは頼めない。コンビニで酎ハイを買い、飲みながらぽつぽつ家路を歩いていると、ここで初めて遼太郎が口を開きました。 「よかったな。ライブ」 「あ。うん。最高だった」 「あのな。大阪」 「うん」 「俺も行こうかな」 「おお」 と言ったものの。
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