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動きを止めてもびくんびくんと跳ねるペニスを、柊は恍惚としながら感じていた。まだ絶頂の余波が続いている。
トロンと蕩けた瞳。口は半開きで甘い吐息をもらす。
背に腕を回され、ぎゅうっと夕里が抱きしめてくる。重くて熱い身体だ。
お互い丸裸になってぜんぶ差し出したからこそ、見えたものがある。やっと実感できた。
――相手のことをどうしようもなく好きなのは、自分だけじゃない。
(ほんと……いつの間にこんな、好きになってたんだろ)
柊を癒やす夕里の手。相手に気づかせないほど細やかな心遣い。大型犬みたいに柊に懐いてきて、愛嬌がある。
たくさんのきっかけがあって、いつの間にか恋に落ちていた。
はじめてキスをしたとき。彼の弱いところを知ってしまったとき――触れたくて心が震えた。
年下のくせに柊を支えて、甘やかして、蕩かしてくる唯一の男――大好きだ。
強い太陽の光が、シェードに負けず室内を照らしている。ベッドの上に舞う埃が光を孕み、キラキラと輝いて揺蕩う。
夕里の肩越しに見える産毛が光っている。毛並みのいい獣を手懐けた心地だった。
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