19.敏腕リーマンは大型ワンコを連れ帰る*

3/7

482人が本棚に入れています
本棚に追加
/123ページ
 動きを止めてもびくんびくんと跳ねるペニスを、柊は恍惚としながら感じていた。まだ絶頂の余波が続いている。  トロンと蕩けた瞳。口は半開きで甘い吐息をもらす。  背に腕を回され、ぎゅうっと夕里が抱きしめてくる。重くて熱い身体だ。  お互い丸裸になってぜんぶ差し出したからこそ、見えたものがある。やっと実感できた。    ――相手のことをどうしようもなく好きなのは、自分だけじゃない。 (ほんと……いつの間にこんな、好きになってたんだろ)  柊を癒やす夕里の手。相手に気づかせないほど細やかな心遣い。大型犬みたいに柊に懐いてきて、愛嬌がある。  たくさんのきっかけがあって、いつの間にか恋に落ちていた。    はじめてキスをしたとき。彼の弱いところを知ってしまったとき――触れたくて心が震えた。  年下のくせに柊を支えて、甘やかして、蕩かしてくる唯一の男――大好きだ。    強い太陽の光が、シェードに負けず室内を照らしている。ベッドの上に舞う埃が光を孕み、キラキラと輝いて揺蕩う。  夕里の肩越しに見える産毛が光っている。毛並みのいい獣を手懐けた心地だった。
/123ページ

最初のコメントを投稿しよう!

482人が本棚に入れています
本棚に追加