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確かに彼は全然嫌そうじゃない、どころか嬉々としてやっている。たまにマッサージもしてくれるし、仕事は応援してくれる。たまにだらだらと家で仕事しそうになると捕まり、寝かしつけられたりベッドで悪戯されたりする。
一家に一台どころじゃない。夕里はヒモみたいだと未だ気にしているものの、別に浪費させられていないしもっと広いマンションに引っ越してもいいと思っているくらいだ。
正直なところ、幸せすぎてもう離れて暮らすことが考えられないくらい。
まぁ無理と言っているのに何度もイかされたり、あえて恥ずかしい格好で抱かれたりするのは、真剣にご勘弁願いたい。夕里は『柊さんのせい』というが、君の性癖も大概なんだからな。もう!
「予約ありがと。席はどのへん?」
「あ、この“イチャイチャカップルシート〜ラブラブタイム〜”ってとこにしときました!」
「……名前ダサッ」
もっとも、名前に惑わされてやめるという選択肢はない。あの疲れ切っていた日。夕里について行ってよかったと心から思う。
向かった先に至高の時間、そして人生を変えるような出会いが待っているだなんて……予想もしなかった。
人生は決断の連続だ。選択して行動して――柊は大事なものを手に入れた。
「ひーらぎさんっ。いちゃいちゃしましょうね!」
「もう……控えめにしてよ……」
END
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ここまでお読みいただきありがとうございました!
一旦完結としますが、スター特典で番外編は書こうと決めていますのでしばらくお待ち下さい。
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