迫られた決断

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そして壁際まで追い詰められたその時。 「フリーズ!!」 ワタルの詠唱が間に合った! 氷の魔法が部屋全体に響き渡り神官長始め神官達は全員ピタッ!と動かなくなる。 「カスミさんの居る部屋はこっちです!」 ワタルに言われ俺はリョウと3人で動かねー神官達の間を擦り抜け部屋から脱出した。 「リョウ神父達が居ません!」 俺達が脱出して少しして魔法の効力が切れた。 神官達は皆、不思議そうにキョロキョロしてる。 「魔法を使ったか。そんなに遠くには行っていない筈だ。探せ」 神官長の命令で神殿中に神官達が散らばった。 「ハア…ハア…ハア…こ、怖いよう…」 ワタルに手を引かれているリョウは息が上がっている。 神殿内は複雑だったが、ワタルは迷う事無く走っている。 しんがりを務める俺とリョウだけじゃ迷子になりそうだ。 と、通路の角でワタルとリョウが立ち止まった。 ワタルが小声で言う。 「ここを曲がって直ぐですが見張りがいます」 俺は先頭に移動すると、角から顔だけ出して偵察した。 見たところドアがあって見張りは、その真ん前に1人。 得物の類までは解らねーが武器は持っていない神官の様だ。 恐らく魔法もリョウと同じく回復魔法しか使えない筈だ。 俺は短剣を構えると、気配と足音を消して角から一気に姿を見せた。
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