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冒険の旅へ
俺はワタルとリョウの身が心配になったが2人は気丈にも大きく頷いた。
「背に腹はかえられません」
「それにいざとなったらタモツが僕達を守ってくれるでしょー?」
…まあ確かに短剣術ならある程度は使いこなせるが。
その時、直ぐ近くで爆撃が起きた。
「キャアッ?!」
『この辺りにも住人が隠れているかもしれない。捕まえて捕虜にするぞ』
どうやら、悠長な事は言ってらんねー様だ。
『時間がもう有りません』『時間が無いよう!』
ワタルとリョウの声が聞こえてきた次の瞬間、俺達4人は白い光に包まれた。
そして気付くと目の前の景色は王都から離れた町の出入り口に変わっていた。
『つ、疲れたよう…』『流石にもう限界です…』
見るとリョウもワタルもうずくまっている。
俺とカスミは本当に2人がテレポートの魔法を使ったのを知った。
「ワタル、リョウ。しっかりしろ。カスミは歩けるか?」
「私は大丈夫」
カスミの言葉を受けて、俺は両肩をそれぞれワタルとリョウに貸した。
2人を同時に連れて行くのは骨が折れるが、この辺りは敵襲を受けてない事が救いだった。
そのまま俺達は町の中に入る。
と…。
『珍しい。冒険者達?』
『女の人ドレス着てる。良い所のお嬢様かしら』
『皆私達を見てる。やっぱりこの格好じゃ目立つわよね』
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