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俺は出迎えてくれたカスミに紙バックを手渡す。
「中にローブとフードが入ってる。顔や体型を隠せるから女だって狙われる事はねー筈だ」
「ありがとう、センヤくん。早速着替えてくるわね?」
奥の部屋に消えたカスミと入れ違いにワタルが何やら書類を持ってコッチへ来た。
「センヤくんのお陰で助かりました。もう大丈夫です」
「そりゃ良かったな。…ワタル、王都で俺の様子に心当たりがあるって言ってたな。俺も町の防具屋で気になる話を聞いた」
「それでは立ち話も何ですから、ここに座って下さい。先ずセンヤくんの話から聞きましょうか」
ワタルに促され俺は対面に座ろうとしてしがみついたままのリョウの声を聞く。
『タモツとチョメチョメしたいなぁ♡』
「冗談じゃねー!!」
俺は思わずリョウを引き剥がした。
ったく!
性癖がおかしいのはゴサクだけで十分だ。
「タモツー?!」
「センヤくん!リョウ神父に向かって何罰当たりな事をしているのですか?!」
「ったってよ、こいつが俺とチョメチョメしてーとかほざきやがるから!」
『センヤくんは私だけの者なのに…』
俺達の声が聞こえたのか、奥の部屋からカスミの声まで聞こえてきた。
「えー?!僕そんな事言ってないよう!」
「言ってなくても聞こえるんだよ!」
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