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「「それは?」」
「同じ場所に長くは留まれないって事です。黒い宝石の影響力が同じ場所に留まる事でどんどん強固になっていきますから」
「とりあえずはリョウの言う『月の神殿』に向かうか?」
「じゃあテレポートの魔法を使うー?」
「いえ、古文書や伝承文学史がもっと手に入らないと行っても封印の仕方が解りません」
「もっと調べる必要があるって事か」
その時、奥の部屋へのドアが開いた。
「ど、どうかしら…?」
ローブに着替えフードを目深に被ったカスミがそこにいた。
ドレスの時とは別人の様な地味な格好だが、パッと見、女だとは良い意味で解らねー。
これなら話しさえしなければ女だとはバレねーだろう。
「ドレスとは又違う魅力があるな」
「ありがとう…センヤくん」
鈴を転がすような声が耳に心地良い。
「カスミさんの準備も整ったところで明日ここを発ちましょう」
こうして今後の方針が決まった俺達は今夜はここに泊まる事になった。
夜。
3人が寝静まった頃、俺もそろそろ寝るかと思い寝室に行こうとした時。
『タモツ、タモツ・センヤ…』
又声が聞こえてきた。
聞いた事のねー声だが俺の名前をフルネームで呼ぶのに気味の悪さを感じる。
『恐れる事は有りません。私はいつも貴方の胸の中に存在します』
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