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宝石を拾ってカスミが驚いた様に近くに来る。
俺は座ったまま思わずカスミの身体を縋る様に抱き締めた。
「せ、センヤくん…?」
「…悪い。今だけは、こうしていてくれ…」
宝石の最後の言葉に言いしれぬ不安と恐怖を感じた俺はその気持ちを払拭出来ねーまま、カスミを抱き締め続けた…。
更に。
「うわーんっ!!」
リョウの泣き声に俺もワタルも目を覚ました。
見るとリョウが悪夢にうなされてるのか泣きながら寝てる。
「リョウ神父、リョウ神父!大丈夫ですか?!起きて下さい!」
ワタルがリョウの寝てるベッドに駆け寄り布団の上からその小せー身体を揺さぶった。
俺もリョウの隣のベッドで上体を起こす。
やがて泣き声がしなくなったと思ったらリョウが目を覚ました。
「あ…あれ?ワタル、くん??…そうだ!タモツは?!」
「ここにいるぞ」「そこに居ますよ?」
俺達2人の声にリョウは勢いよく上体を起こして頭同士をワタルとぶつけた。
「いったあーい!」「アイタタタ…」
ったく、2人して何やってんだ。
俺は呆れたが、リョウの次の言葉に凍りついた。
「良かったあー!タモツが死んじゃう夢見たから怖かったー…」
普段なら何言ってやがるで済ませられたが、さっきの宝石との対話の件もあり、背筋に悪寒が走る思いがした。
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