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「勝手な事を言うな!」
俺は段々イライラしてきた。
『勝手な事では有りません。現に1時的にとはいえ貴方の心と肉体が私に取り込まれたのが何よりの証』
そうか…だから記憶が抜け落ちている部分があるのか。
だが、宝石に取り込まれたなんざかなりヤバいんじゃねーのか?
『怖がらなくても大丈夫。私は、いつでも人々のそして貴方の味方ですよ』
それきり声は聞こえなくなったし、俺からも声を掛けなかった。
ちっとも安心出来ねー。
このまま宝石を持っていたらやがては永遠に身体と精神を取り込まれる可能性もある。
そんな事になったら、俺は殺戮マシーン…俺の自我は完全に失われて、俺が俺じゃなくなる…。
ワタルが尽力してくれているが、俺は宝石と共に封印された方が良いのかもしれねー…。
その時部屋に3人が入って来て俺は咄嗟に宝石をしまった。
曰く付きじゃなけりゃーその辺に捨てられるが、俺が手放した後、他の誰かが宝石を手に入れたら世界は結局破滅を辿る。
こうなった以上、俺が…俺達が封印するしか無いんだ…。
「タモツー、さっきはごめん…」
「僕は見ていなかったので断言は出来ませんが、センヤくんが暴漢に大怪我させた理由…黒い宝石が関係してるのではとお話させて頂きました」
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