迫られた決断

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祭壇の近くの床には魔法陣が描かれていた。 他には神官長とワタルが居るだけでカスミの姿は見えねー。 祭壇の対面に歩いて行くにつれてデケー魔法陣の近くに何故か小せー魔法陣も描かれているのが見えた。 俺がリョウと向き合う形になる。 「それでは、これから黒き宝石の封印の儀式を始めます」 神官服に正装したリョウは言葉使いまで違っていた。 「タモツ・センヤ。貴方は黒き宝石の封印の代償として自らの命を捧げる事を誓いますか?」 「誓う…誓います」 「では封印魔法を唱えます。代償は魔法陣の上へ移動して下さい」 リョウに言われ俺はデケー方の魔法陣の真ん中に立った。 「我、ここに黒き宝石とその生け贄を封印する事を、め、命じ…」 ? リョウの異変に俺だけでなく、その場にいた誰もが不思議に思った時。 「め、め、命じ…やっぱり、イヤだあーっ!!」 リョウは叫びながら聖書を両腕で払い退けた。 バサッ!と聖書が床に落ちる。 「リョウ?」「「リョウ神父!?」」 「タモツが死ぬだけでも嫌なのに…っ!その上、カスミちゃんにまで後を追わせるなんて…っ、僕には出来ないよう…っ!!」 「何、だと…?」 泣きじゃくるリョウの元へワタルが駆け寄る。 俺は、表情が険しくなった神官長に宝石を投げ付け短剣を引き抜いた。
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