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「聞いてねーぞっ!そんな話っ!!」
俺は短剣の切先を神官長に向けて怒鳴った。
「彼女が貴方の後を追う事は彼女自身が決めた事だ。神の座す前で、そんな事をして只で済むと思っているのか?」
俺はワタルとリョウを庇う様に2人の前へ移動すると、切先を向けたまま言ってやった。
「その神が夢ん中で言ってたんだよ。黒い宝石は封印する他に壊す方法があるってなあ!」
「それは宝石が言ったまやかしだな。そもそも神官でも僧侶でもないお前に神のお告げが聞ける訳が無い」
「神は全てにおいて万能だって言ってたぞ!」
「では訊くが神はどうやって宝石を壊せと言っていた?ヒビ1つ入ってないぞ」
騒ぎを聞き付けたのか神官達が部屋に流れ込んでくる。
味方の多さに余裕の所作で神官長は足元に転がった宝石を拾って見詰めた。
「そ、それはフヘンのアイ、キズナ、ユウキで…」
「それで、どうしろと?」
「肝心な事を聞く前に起こされたんだよ!」
「…デタラメも良いとこだ。世界より自分の命が惜しくなったか。全員、ひっ捕らえよ!」
神官長の命令で神官達がコッチへ迫ってくる!
ジリジリと後ずさりをしてる俺の後ろでワタルが魔法を小声で詠唱してる。
俺の陰になって神官長達は、そこまで気付いていねー様だ。
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