迫られた決断

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「封印されるのは俺1人で充分だろっ?!3人には手を出さないでくれ…っ!」 「先程、私の言う通りにすると言っただろう!何なら全員、封印してやっても良いんだぞ?!」 神官長は、そう言って俺を何度も足蹴にする。 「…っ…!」 痛みが全身を駆け巡った。 ここは大人しくしてねーと、3人にまで危害が及ぶ。 ワタルもリョウも泣いていた。 カスミも涙を流しながら俺を見ている。 そして、俺と神官長の直ぐ近くにまで連れて来られた。 「そうだ。忘れ物だ。これを手に取れ」 神官長は俺とカスミの目の前で跪くと俺の腕を強引に引っ張り黒い宝石を俺の手に握らせようとする。 その時、カスミが大きく頭を振りながら泣き叫んだ。 「もう嫌あー…っ!!」 涙が飛び散り、宝石にも掛かった。 すると。 「…っ…?!」 全身に熱を持った激痛が頭のてっぺんから足のつま先まで走り抜け、気が遠くなりそうになる。 そして。 「な…っ?!何…っ?!」 宝石にヒビが入ったかと思うと、神官長の手の上で真っ二つに割れた。 「悪しき気配が消えていく…」 割れた宝石を目にしたまま、信じられねー様に神官長は呟いた。 驚いた事に黒い宝石は本当に壊れた。 ワタルとリョウを捩じ伏せてた神官達も憑き物が取れたみてーに2人を離す。 カスミも涙で濡れた目で宝石…だったモンを凝視してた。 ワタルとリョウが頬を腫らしたままコッチに駆け寄ってくる。 そして2人掛かりでグッタリしてる俺を立たせて支えてくれた。
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