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その後
黒き宝石が壊れた事で、俺も宝石に蝕まれる事はなくなった。
俺達は神官長から謝罪を受け、詫びをしたいと言われたが断った。
悪いのは宝石であって神官長達も多少やり過ぎた感は正直否めなかったが、封印する事で必死だったんだろうし。
そして神官長達に見送られながら月の神殿を後にした。
「リョウ。神殿は庭みてーなモンなんだろ?残らなくて良かったのか?」
「僕、タモツ達と一緒に居たーい♪」
リョウの上機嫌な様子を見てると、それならそれでいっかと思えてくる。
「僕は今回の黒き宝石の顛末を書物にして後世に遺そうと思っています」
ワタルでも宝石を壊すという選択は思い付かないモンだった様で、万一、再び同じ様な宝石が出てきた時の手助けをしたいらしい。
「私はお父様とお母様の無事を信じてるわ」
両親を置いて王都から逃げてきたカスミは様子を見に一旦戻る事にした様だ。
「俺も状況によっては復興支援に携わろうかな」
カスミとの結婚はそれから考える事にした。
まだ身分差という問題も残ってるしな。
行きと違い足取りも軽く俺達は王都を目指して冒険の旅を続ける。
それぞれがそれぞれの目的を持って。
俺達4人は過去と向き合い、自分達の決断によって世界に再び平和が訪れる未来を切り開いていくのだった。
完
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