14人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
黒き輝きの誘い
古代の遺跡から発見された、謎めいた黒い宝石が、世界に静かなる衝撃をもたらした。
その宝石は持ち主に富や力をもたらすと言われていて、その噂が広まると人々は欲望や野心を露わにし始めた。
一部の者は宝石を手に入れることを夢見て暗躍し、他の者は宝石の影響を恐れて取り返そうと奔走した。
世界中が宝石を巡る争いに巻き込まれ、平和な日々は遠のいていった。
そして、トレジャーハンターである俺…タモツ・センヤが宝石を手に入れたことで、その力がさらに強化されてしまう。
その日、俺は古代遺跡を仲間の2人、魔法使いワタル・スズキと僧侶リョウ・ヤマムラと共に探検していた。
「しけてやがんな。こんなモンしか持ってねーのか」
俺の短剣とワタルの攻撃魔法、そしてリョウの回復魔法で倒した魔物から、お宝がねーか調べていた俺は、そう言って立ち上がった。
「遺跡に棲む魔物は、これで大体、退治しましたね」
ワタルは、遺跡の隠された謎を解くのに邪魔な魔物を一掃することで俺と利害が一致していた。
「宝は、魔物が持ってるんじゃなくて、どっかに隠れてるんじゃないのー?タモツー、僕、眠い。もう帰ろうよう」
リョウは、天然ながらも子供のような純粋さで、どういう訳か、俺を気に入っているフシがある。
最初のコメントを投稿しよう!