ゾンビ vs 生存者 ――昔見たパニック映画にあったみたいな――

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    「俺は、ここで……。この映画館で、始末されるのだろうか」  しみじみと呟く。  いや実際には『呟く』という言葉は不適切かもしれない。今の俺は、まともに話すことも難しくなっていた。  もしも俺の発言を誰かが耳にしたとしても、モゴモゴと不明瞭な音声にしか聞こえないだろう。  これでは、遺言だって口に出来やしない。  そう考えて、俺が苦笑いした瞬間。  バンッ!  大きな音と共に、映画館の扉が開く。  しかも、いくつもの扉が同時に。  ついに、奴らが入って来たのだ!  四方八方から!  奴らは皆一様に、丸くて細長い武器を手にしていた。  あの武器の名称は、確か……。  思い出そうと俺が努力している間に、正面にいた男が、皆を代表して宣言する。 「貴様が最後の一匹だ! このゾンビ野郎め!」  ああ、やはり俺で最後だったのか。  そう考えると同時に、ライフルという言葉が頭に浮かぶ。しかしその瞬間、奴らのそれが一斉に火を吹くのだった。 (「ゾンビ vs 生存者 ――昔見たパニック映画にあったみたいな――」完)    
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