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募らせる愛
「ルーフス、さんっ……あっ、はぁっ」
「もう少しです……っ」
先程目にした太く、大きな彼の熱が僕の中を掻き分けている。
憧れ、焦がれていたルーフスさんが僕と一つになっている。その事実だけで目眩がしそうだった。
じりじりと焦れったく進んでいた腰が止まる。すべてが収まったのだとわかると、今まで我慢していたものがすべて弾けた。
「~~っ!」
飛び出たものがシーツにシミを作る。挿入されただけで僕は呆気なく達してしまった。
「あっあっ、はぁっ」
「賢者様……なんて愛おしい」
ビクビクと体を震わせる僕をルーフスさんが見ている。大好きな彼に達しているところを見られている。
恥ずかしいのにすべてさらけだしたいような、矛盾した気持ちが生まれた。
「はぁっ、はぁっ」
「お体はどうですか? 一度休みましょう」
「っ、このまま、続けてください」
出ていってしまいそうな気配がして、急いで引き止める。このままここで終わるなんて嫌だった。
「ルーフスさんと気持ち良くなりたいんです……」
「っ、わかりました」
一度熱を吐き出せたものの、呪いの効果はまだ切れていなかった。もっと気持ち良くなりたい、まだ足りない。満たされない欲求を体が叫んでいる。
僕のお願いを受け入れてくれたルーフスさんは、小さく腰を動かした。
「っ、ん、っぁ」
「はっ、賢者様っ」
卑猥な音をたてながら、ゆっくり抜き差しされる。中でルーフスさんの熱が蠢く度に、体は喜びで震えた。
またどんどん体の奥から気持ち良さがせり上ってくる。
「あっ、あぁっ、っぅ」
「はぁっ」
気遣いに溢れた丁寧な動き。彼の行為はどこまでも優しく、僕への愛しさを存分に伝えてくる。
その愛を受けながら、甘い声と彼への想いをこぼし続けた。
「あ、んっ、るーふすさん、すきっ、すきですっ」
「っ」
激しさはないが淡々ともしていない、甘い行為。僕もルーフスさんも、今はただ、お互いへの愛を募らせ溺れた。
「んんっ、はぁっ、ぜんぶすきっ、っあぁ」
「はっ、賢者様っ」
「るーふすさん、名前で、名前でよんで……っんぁ、はぁっ」
「ヒロナ様……ヒロナ様、愛しておりますっ……あなたのすべてが愛しい」
お互いに名前を呼び合い、愛を伝える。ついさっき達したというのに、僕の熱はまたはち切れそうだった。
息を詰めるルーフスさんも限界が近い気配がする。
このままこの行為に、彼の愛に浸っていたい。そう強く思うのに、僕はまた体を大きく震わせる。
溢れ出る熱を押しとどめることはできなかった。
「あっあっあっ、んんぅっ、はぁっ」
「ヒロナ様っ」
襲いくる快感にぎゅっとシーツを握った。また限界を迎えた僕にルーフスさんの動きが止まる。慌てて引き抜かれた彼の熱も、シーツの上へ放たれた。
彼も僕と同じように気持ち良くなってくれたのだと実感し、胸に喜びが広がる。
「はぁっ、はぁっ、ん……」
「はっ」
しばらくお互いの荒い息だけが聞こえていたが、やっと落ち着いた僕の様子を見て、ルーフスさんは手で支えながら体勢を変えてくれた。下半身もベッドに沈み、脱力する。
「寝具を汚してしまいました……お取替えします」
力が入らない僕とは反対に、体を起こすルーフスさん。服を着ようとした彼を僕は引き止めた。
「あの……もうすこし、このまま一緒にいてくれませんか?」
無意識にも強請るように見た僕に、ルーフスさんは動きを止めた。僕の欲求を聞き入れてくれたのか、遠慮がちにベッドに上がる。
隣に横になったもののどうしたら良いのか戸惑っている彼に抱きついた。
さっきまで行為に溺れていたというのに、裸で体を寄せる僕に体を硬くするルーフスさんが愛しい。
「……幸せです」
愛しいルーフスさんが隣にいて、彼も僕のことを想ってくれている。切なさが込み上げるくらいに幸せだった。
「ヒロナ様、俺もこのような幸福は初めてです」
逞しい腕が僕の体にまわり、優しく抱き締められる。甘い空気と気恥ずかしさ、幸せが部屋には満ちていた。
さっきまで色気を醸し、情欲的な顔つきだったルーフスさんは、優しげに僕を見ている。
新たな彼の表情を知れたこと、そしてまたひとつ特別な関係になれたことに胸をときめかせながら、唇を寄せあった。
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