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――10秒、20秒、30秒、40秒、50秒、1分。
瞬間、私の胸を恐ろしい位の吐き気と不安が襲う。
「う、ぇぇぇ!」
途端にトイレに駆け込み、何度も何度も嘔吐する私。
胃の中を空にするまで吐いた所為だろうか。
目はチカチカするし、手もなんだか震えて来た。
だが、私は――そんな震える手で、握り締めたままだったスマホに目を向ける。
まだ、既読にはならない。
1分前に親友宛に送ったチャットツールの私の発言が、まだ既読になっていない。
と、再度私の全身を襲う大きな不安。
胸には再度不安と同時に吐き気が込み上げ、私はまた何度も何度も――吐き過ぎて最早透明に近い程薄くなった胃液を吐き出した。
それでも尚、既読がつくまで私の不安はおさまらない。
そう――私は、病気だった。
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