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こうして、手紙だけではなく文香も送り合う様になった私達。
だが相変わらず、恵子からの手紙や返事は、いつどこで来るか――全く予想が出来ないものだった。
例えば、私が朝渡した手紙に対して、お昼休みに返信が返ってくる時もあるし、夕方の下校ギリギリに返信が回ってくることもある。
かと思ったら、渡した直後に返信が手渡されることもあるし。
私は、いつしか……親友から、いつ手紙が渡されるのか、楽しみにしながら毎日を過ごす様になっていた。
(今日は朝一番で渡したから、放課後までには返ってくるかなぁ?)
そんな気持ちで返信を待っていれば、その日の内に返信は渡されず、翌日まで待ったことすらある。
でも、不思議と嫌ではなかった。
勿論、最初は直ぐに返信が返ってこないことに抵抗と不安を感じていた私。
けれど……恵子と手紙のやり取りを重ねていく中で、「恵子ならどんなに時間がかかっても私の手紙を読んでくれる」「絶対に返信してくれる」ということが理解出来たのだ。
だから、時間がかかっても嫌にならなくなって来たのだろう。
それどころか私は、恵子の返信を楽しみながら待てる心の余裕すら持てる様になって来たのである。
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