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そう話しながら、どんどん涙声になっていくお母さん。
お母さんは、泣きながらも更に言葉を続けて来た。
「スマホを見るたびに、あんたはどんどん痩せていくし……。このままじゃ、あんたがスマホに殺されちゃうんじゃないかと思ったわ。でも、スマホを無理に取ったら、あんたは死んじゃいそうだったし。どうしたら良いかわからなくて……本当に、本当に辛かった」
泣きながら、お母さんは不意にぎゅっと私を抱き締めて来る。
(……あぁ……私、お母さんに、こんなに辛い思いをさせてたんだ……)
その時、私は初めて――自分が家族にどれだけ心配をかけていたのかを、心の底から理解した。
「お母さん……ごめんね。心配をかけて、本当にごめんなさい」
私は、抱き締めてくる母の背にそっと手を回す。
久しぶりに触れた母の背中は、スマホの画面より温かく、優しい匂いがした。
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