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その後、母と一緒に恵子の手紙を読んでみる私。
その手紙の内容は、今月近所の公園で行われる夏の花火大会のお誘いだった。
(花火大会の会場は凄く混んでるし……人が多いから電波も通じにくいかもしれない)
そうなれば、こまめなSNSのチェックは難しくなるだろう。
(……また、気持ち悪くなるかもしれない。不安に押し潰されそうになるかもしれない)
でも――。
(この病気から立ち直るチャンスは、きっと、「今」しかないんだ……!)
私は、強くそう決意すると共に恵子に返事を書いた。
“勿論、一緒に行こう。その時は、縁日の金魚掬いで勝負もしようよ。絶対に負けないからね”
と。
そうして私は、その手紙に――以前買っておいたとっておきの、「朝顔」の花の香りの文香を、そっと忍ばせた。
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