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『おはよう(笑)』
『事故とかじゃなくてよかった』
『もう少し待ってるから、来て』
天使か、天使なのか! いや女神だ!
『行きます行きます、今すぐに行きます』
服を着て財布を引っ掴み、靴に足を突っ込む。
家から自分の最寄り駅までは、徒歩10分。全力疾走すれば5分だろ。
駅につき荒い呼吸を整える。改札を通って少し冷静になると、急に膀胱が尿意を訴え始めた。
12時間以上寝こけていたのに、起きてからは一度もトイレに行っていないのだから当然だ。
焦りすぎて忘れていたが、一度体が思い出してしまうともう無理だ。電光掲示板をチラッと見る。
あと2分、いける。
スッキリした体で電車に乗る。
待ち合わせの駅までは3駅。窓の外を流れる景色を見ながら、1秒でも早く着けと念じていた。
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