シークレット・モーメント

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宇宙人(仮)と出会う。しかし、どこからどう見ても人間だった。 「…え、仁菜ちゃん!?生仁菜ちゃん!?」 「はい。乾いてません、生です。……弾先輩ですよね」 名前の確認をされたので、こちらも同じように訊ねると、突然、弾先輩が俯いた。まさか、間違えていたのかと不安になる。 「ど……どうしたんですか?」 「推しに認知された幸せを噛み締めてる……」 「(おし?)」 謎だ。私の情報が間違っていなければ、弾先輩は同じ大学の先輩である。 パッチリとした二重の目と、色白の肌と、愛嬌の良さそうにくるくると変わる表情、真っ黒な髪はマッシュヘア。本当に年上なのか疑わしいほど、可愛らしさが際立つ先輩だ。 響先輩や悠來先輩とよく一緒にいる人。三人ともビジュアルが良いから学内でとても人気があり、弾先輩はその一人だ。 響先輩と話してたみたいだし、待っているのかな。 「(何を話せば、)」 「……探したんだけど……」 考えをまとめていると、誰かが弾先輩に向かって責める。
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