エッセイって恥ずかしい

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エッセイって恥ずかしい

 10年くらい前から、エッセイを書くことに漠然とした憧れのようなものがあった。実際、何度か書いてみたこともある。初めて書いたのは高校生の時だった。本当にくだらない、痛々しい内容だったことを覚えている。何が「面白い」のかもわからない陰キャ(嫌な言葉だ)な女子高生が笑いを取ろうとしてスベっているような。自分でもスベっていることがわかっていたので、恥ずかしくなって消した。    その次は大学生の頃だ。しかしこれに至っては内容すらまるで覚えていない。ただ書いた覚えだけがある。恥ずかしいという感覚もうっすら残っている。  エッセイを書くというのはどうして恥ずかしいのだろう。物語と違って自分自身を前に出さなければいけないからだろうか。そしてその自分に自信がないからだろうか。個人情報も出てしまうし……後から読み返すとどうにも恥ずかしいのだ。頭の中で声がする。 「生吹。おまえ、自分の話ばっかりしてるけど、誰がこれを面白がるんだ?」 「ここに書かれているのは本当にありのままか? カッコつけて大袈裟に書いてるんじゃないか?」 「これは誰の真似事だ? つまらない一般人がエッセイスト気取り。恥ずかし過ぎる」  と、いう具合に。  この書き散らしもいずれ恥ずかしい黒歴史になるだろう。もしかしたらまた消してしまう日が来るかもしれない。それでも、とりあえずやってみたい。最近ようやく文章を書くための気力が少し戻ってきたのだ。ここ3年くらいずっとライターズ・ブロック(私はライターじゃないけど)に悩まされてきたのだ。    物語を作る力はまだ萎んだままだから、せめて考えたことや見たこと、好きなものの話を書こう。たまには愚痴とか、ネガティブな話もするかもしれない。そこはまあ読み飛ばしていただいて。そもそも誰からも興味を持たれないかもしれない。だとしても、文章を書くという恥ずかしい行為を通して何かが少しでも良くなることを信じて……    
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