五十歩百歩

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五十歩百歩

 世界が自分の美学に反した破滅に向かっている事に対して、憤懣やるかたない爆弾魔と出会った夜空は嘆いた。 「可哀想に……ゾンビの所為でおかしくなってしまったんですね」 「ハァ? あのおじさんは元々おかしいでしょ見た目から」  買えなかったバッグを作った会社の経営を傾けたり、美人画が多いという理由で美術館に放火しようとした元お嬢様が言える立場かと風仁は思ったが、口に出して新たな火種を作る程に軽率な性格はしていなかった。
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