4月⑭

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「会うのは日中だし、どんなに遅くても樹理亜さんの飲み会終わる頃まではいないよ。」 「そう?じゃあ…飲み会終わりそうな頃に連絡するね。7時からの2時間半らしいから10時前には帰るとは思うけど。」 「うん。わかった。」 わざわざ迎えとか、本当心配性というかなんというか。 常盤くんを警戒してのことなのかな。 でも、それで郁哉が満足するならそれに合わせてあげたいと思う。 「そろそろピザ、食べよ?」 「うん。」 「ピザ食べたら…、一緒にお風呂、入ろっか。」 「え、樹理亜さんから風呂のお誘いとか珍しい。」 振り返ってあたしの顔をマジマジと見る郁哉。 いつもお風呂やシャワーは単独が多い。 一緒に入ることがあってもそれは郁哉に誘われて入るパターンが多く、あたしから誘うことはほぼないから、郁哉が驚くのは無理ない。 「たまにはあたしから誘ってみようかな、なんて。」 これでお断りされたらかなり恥ずかしいけど。 「そういうお誘いは、大歓迎。」 ふっと笑った郁哉は、チュッとあたしの唇にキスをした。 「…っ、」 あたしはそういう不意打ちに相変わらず弱くて、ドキドキさせられる。 郁哉はといえば、人の気も知らないで「樹理亜さんと早く風呂入りたいからピザさっさと食べちゃお。」と、言いながらピザの箱を開けた。 そんな郁哉とピザを食べ終え一緒にお風呂に入ったら、当然それだけでは終わらなくて。 あたし達は結局、再び身体を重ねた。
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