4月⑮

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「小澤の言う通りだよ。」 常盤くんの一言に、あたしを含め女子6人視線は常盤くんに集中する。 「俺、金沢と飲みたかったから、みんな金沢と絡めるメンバー集めたし。金沢が楽しめないと意味ないじゃん?」 けろっとそう言った常盤くん。 「ぶっちゃけ、ホントは金沢とふたりがよかったんだけどな。とりあえず、複数飲みから攻めようかと思って。」 更に話を続ける常盤くんは、既に酔っ払っているんじゃないだろうかと思った。 あたしとふたりがよかったとか、こんなにもサラッと言えちゃうもの? ていうか。それって…、あたしとふたりきりになりたかったと言っているようなものだ。 「え…、ていうか、常盤くんもしかして、樹理亜のこと本気…とか?」 美久がみんなの反応を確かめながら常盤くんに尋ねれば、 「そうだけど。」 あまりにも軽くてあっさりとした返答に、自分の耳を疑う。 でも。だけど。 さすがにどんなに鈍い人でもこれは…──。 「…っ…、」 あたしの顔がみるみる火照っていくのがわかる。 それとほぼ同時。 「マジで!?」 「うそ!?」 「常盤くんが樹理亜のこと!?」 美久達が騒ぎ立てたのは言うまでもなかった。
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