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30分ほど経った頃。
常盤くんが応接室の方から歩いて戻って来る。
そして、あたしのカウンターの前に再びやって来た。
「常盤くんお疲れ様。」
「おー。」
「手応えありそう?」
「んー…どうだろうな。」
「常盤くんなら大丈夫だよきっと。」
「だといいけどなー。」
おどけて笑う常盤くんを見る限り、やっぱり余裕がある。
その様子だと手応えあったんじゃないだろうか。
「そだ。金沢、久々に会ったしさ、飲み会でもやらん?俺らのクラスの奴ら何人か誘ってさ。」
「飲み会…、」
なんでまた急に?
常盤くんならあたしなんか誘わなくても、飲みに行くメンバー他にもいるはずなのに。
そもそも、あたしあまり飲めるタイプじゃないし。
「連絡先教えてくんね?飲み会の連絡もしたいし。」
「え…、あ、うん…。いいけど…。」
まだ飲み会行くなんて言ってないし、あたしは常盤くんと連絡取る用事もないけど…。
既に常盤くんは片手にスマホを持って待っている。
あまり乗り気じゃなかったけど、あたしはデスクの隅に置いていたスマホを手に取り、QRコードを表示させて常盤くんのスマホで読み取りしてもらった。
「確か金沢って、小澤とか安西とかと仲良かったよな?」
「そう。」
「小澤と安西の連絡先は知ってるから、声掛けとく。」
「…わかった。」
「詳しいこと決まったら連絡するわ。」
「うん。」
「じゃ、また」と、言って常盤くんは上機嫌で校舎を後にした。
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