4月⑰

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「やっぱ、そう思います?」 「思う思う。」 「えー…、どうしよう…。」 あたしには郁哉がいるし、この先も郁哉と居たいと思っていて、常盤くんのことは考えられない。 それは、この先も変わらないと思っている。 あたしを想ってくれるのはすごく嬉しいし、ありがたいことだけど、常盤くんみたいにモテる人ならあたしに拘らなくてもいいんじゃないかとも思う。 「まぁ、金沢があれこれ悩んでもしょうがないし、なるようにしかならないから。」 「それは…そうですけど…。」 「ただ、常盤くんとのことで末永くんと拗れたりしないかが心配だけど…。」 「そういうこと言われるとなんか…不安なってきますね…。」 「あ、ごめんね。そんなつもりじゃなくて。ただ、気を付けてねって話よ。」 「…はい…。気を付けます。」 紗季さんはあくまで可能性の話をしているだけだ。 とはいえ、やっぱり何かと心配になってくる。 日頃からちゃんと伝えるべきことは伝えていかなければ。
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