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映画を観終わって、ショッピングモール内の飲食店で感想を話しながら食事をし、モール内のお店を何件か周った。
郁哉と付き合い初めて間もない頃、このモール内でタウン誌の人に声を掛けられたことを思い出す。
郁哉がうちの自動車学校を卒業してもう数ヶ月経っているけど、今もし、同じように声を掛けられても、断っちゃうかもしれない。
何かのきっかけで広まったら…というのを未だに少し心配している。
歩きながらそれを郁哉には話したら、「俺は全然構わないけどね」と、あの時と同じことを答えて笑った。
郁哉は常にブレない自分を持っている。
自分が大事にしているものは、絶対曲げずに貫いて大事にできる人。
だから、たまに不安になる。
あたしみたいな何の取り柄もない4歳も年上の女が、隣に居ていいのかなって。
本当は、同じ目線で夢を見ている佐久間さんみたいな女の子が、郁哉の隣に相応しいんじゃないかって。
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