5月①

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食事を終え、リビングで少しテレビを見ながらまったりした後、お風呂を促されたからお風呂に入った。 一緒に入りたいとか言われるのかと思ってドキドキしていたけど、そんなのは一切なく。 自分はその間に後片付けしておくからと、あたしは完全に客人扱いされて、変な気分だった。 確かにここは郁哉の家だから、主導権は郁哉にあるし、なんの問題もないのだけれど、なんだか違和感があって。 もてなして欲しくて郁哉の家に来たわけではない。 ただ、あたしはずっと郁哉が過ごしてきた場所で、郁哉といつものようにくっついていたいだけなんだけど。 そして、後片付けを終えた郁哉に、「俺も風呂入ってくるから部屋で待ってて」と言われ、その通りにした。 シンプルな郁哉の部屋は、ベッド、机、テーブル、テレビがあるくらいで物はほとんどない。 クローゼットの中にいろんな物が入っているからだとは言っていたけど、いつも綺麗だし、あたしとは大違いだ。 あたしはベッドに座って、持ってきたバッグの中からスマホを取り出す。 新着メッセージが届いていてタップしてみた。 【再来週の土曜日ボウリングどう?】 メッセージの送り主は、常盤くんだった。
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