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またみんなで集まろうって誘われて一応オッケーはしたけど、もう次の話進んでるんだ。
しかも、再来週とか日にちまで…。
週末は郁哉と会うことが多いし、郁哉に会うことに時間を使いたいけど。
オッケーしてしまった手前、お断りするのもなんか都合が悪い。
でも、なんだかやっぱり面倒だなぁ。
しばらく画面を眺めて、返信しようか悩んだけれど、再来週の土曜のことまでは考えられない。
考えるのも返信するのも億劫で、あたしは既読スルーしてバッグにスマホをしまった。
「お待たせ。」
そこへちょうどお風呂から上がってきた郁哉が、タオルで髪を拭きながら部屋に入って来て、あたしの隣に腰を下ろす。
「なんか飲む?」
「ううん。大丈夫。」
「そっか。じゃあ…、そろそろ話聞かせてもらおうかな。」
「え…?」
「なんで急に俺の家泊まりたいとか言い出したの?俺の家は母さんがいなくても、なんとなく気遣うからって、ずっと言ってたのに。なんか理由あるよね?」
あたしを見た郁哉と目が合った瞬間、ドクン、と胸の音が大きく鳴った。
「…理由とかそんなのないよ。たまには郁哉の家に泊まるのも悪くないなぁってふと思っただけだから。」
一瞬、本当のことを言ってしまおうかと迷ったけど、思い直して事実を答えなかった。
あたしの思ってることはしょうもないことだから、言いたくない。
だから、笑って誤魔化した。
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