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5月②
「今度は、俺の番。」
後処理後、郁哉は主導権は自分だと言わんばかりにすぐあたしに覆い被さった。
「郁哉…、今日はあたしがしたい。」
全部あたしがするつもりで始めたのに。
「もう、してもらったじゃん。」
「それだけじゃなくて…、もっと…、」
「俺がしたいからだーめ。」
そう言って、郁哉はスウェットの中に手を滑り込ませる。
「なんか、俺のスウェット着てる樹理亜さん見てるだけですげー興奮する。」
耳元で囁いてからあたしの首筋に唇を這わす。
「…ん…っ、」
急な泊まりだったから、着替えは郁哉のスウェットを借りた。
少しブカブカな郁哉のスウェット。
そのスウェットも下着も捲し上げ、郁哉の手に直に触れられて、ぴくりと身体が反応した。
あたしがするとか言っておきながら、結局は郁哉にされるその先の行為を期待していて、あたしは郁哉の背中に腕を回して身を委ねた。
その直後。
バッグの中のスマホが鳴り出して、ブラのホックに手を掛けた郁哉の手が止まった。
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