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4月③
常盤くんが面接に来たその日の夜。
お風呂から上がると、ちょうどスマホの通知音が鳴ったから、郁哉かもしれないと慌ててテーブルに置いていたスマホを手に取る。
新着メッセージ数は4件。
この3日間メッセージやり取りが少なかったから一度に送ってくれたのかも…なんて、勝手に舞い上がってメッセージアプリを開いてみる。
【飲みはいつがいい?】
【行きたい店とかおすすめの店あったらおしえて】
【今のところ、慶太と礼央と凌は参加確定】
【あと何人かに声掛ける予定】
4件のメッセージは全て常盤くんからだった。
しかも、全部飲み会関連のもの。
「なんだ、常盤くんからかぁ…。」
郁哉からだと思っていたからがっかりしてしまった。
正直、飲みの話とかどうでもいいんだけど。
そもそも、既に参加が確定している3人は常盤くんと仲が良かった男子3人組。
あたしはそれほど仲が良かったわけでもないし、彼らと話が合うかどうかもあやしい。
それに。あまり飲みに行くこともないからお店もそんなに詳しくないし、お店に関して振られても困る。
適当に決めてくれても全然構わないのに。
なんだかいろいろ面倒になってきて、溜め息しか出ない。
スマホを伏せてベッドに寝転がると、再び通知音が連続で鳴る。
また常盤くんからかな。
なんだか面倒だな。
再び深い溜め息をついて、テーブルに置いてあるスマホに手を伸ばし、メッセージを確認する。
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