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「あっ、ん…っ…、」
動き回る郁哉の手は、やがて先端へと移動して指先でそれを弄ぶように繊細な動きをする。
「なんなら、今常盤さんに電話する?」
「え、なに…言って…、」
「彼氏と一緒にいるから出られなかったって、折り返しの電話してもいいけど。」
「ムリ、だよ…っ、」
郁哉は何を言ってるの?
この状況で折り返しの電話なんてできるはずがない。
郁哉の指先は先端をずっと弄っているし、その上首筋のあちこちに唇を這わせていて、さっきから何度も身体が反応して止まらない。
そんな状況で電話とか、絶対無理だ。
「俺のいないところで電話されるの、やだし。」
「…ん、だからって、今は…、あっ…、」
「俺も同じなんだよ樹理亜さん。」
「…なに、が…?」
「優位に立ちたいって願望は俺にもあるから。樹理亜さんは俺のものだって現実突き付けたいし、常盤さんより優位に立ちたい。」
胸を弄られてただでさえ熱くなってるのに、耳元で話す郁哉の声と熱を帯びた吐息で更に身体の奥がじんとする。
「…そんなこと、しなくても、あたし、は…郁哉のものだよ…。」
今まで何度も郁哉にそう伝えてるのに。
「…じゃあさ…、俺のものって証拠、見せてくれる?」
「証拠…?」
「常盤さんに今電話して。」
「……、」
触れられて、口付けされて、弄られて、あたしの身体は疼いておかしくなりそうなこの状況下でも、郁哉らしくない発言だし、あまりにも無茶苦茶だいうのは認識できた。
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