5月②

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「あとで連絡する。」 「うん。待ってる。」 「やれてなかったビデオ通話しよ?」 「あ、そういえば、前にそんな話したけどやれてなかったもんね。」 「寮だとなんかやりづらくて。家にいる時ならやれるから。」 「ふふ。そうだね。」 この連休中は、好きな時に制限なく連絡を取り合うことができる。 そう考えたら、一緒にいなくても平気って思えた。 「…じゃあ、また。」 シートベルトを外して、車を降りようとした時。 「樹理亜さん、待って。忘れもの。」 「え?」 郁哉に手を掴まれ振り返ると、助手席側に身を乗り出した郁哉に唇を塞がれた。 「…またね。」 ゆっくり離れた郁哉の唇は、次の約束の言葉を紡ぐ。 「…うん…。」 忘れものと言ってされた不意打ちのキスは、初めて車の中で別れ際のキスをした時を思い出させて、なんだかドキドキしてしまった。
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