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相変わらず常盤くんの言葉はストレートだ。
そんなふうに言われると、どう答えていいからわからなくて、返答に困る。
『慶太のことはもちろんだけど、俺とのことも決め付けないで、ちゃんと見てくんね?』
「…それ、は…、」
『…あ、いや。今返事欲しいとかそういうんじゃなくて。彼氏いるからってシャットアウトしないで、もっと俺を知って欲しいっていうかなんていうか…。』
「……、」
『ごめん…。長期戦のつもりで覚悟決めてたんだけど、焦って余計なこと言ったわ。』
「…ううん…。」
『詳しいことはまた連絡する。』
「…分かった。」
『じゃ、そういうことで。またな。』
「うん。」
常盤くんはあたしが動揺しているのを悟ったようで、ほぼ一方的に通話を終わらせた。
正直、あれ以上話してたら返す言葉に困って会話が続かなかったと思う。
決め付けないで欲しいと言う常盤くんの気持ちも分かるけど。
でも、見込みがないのに中途半端な態度をとっている方が良くないと思った。
──やっぱりこのままじゃいけない。
ボウリングに行った時に、ちゃんとあたしの今の想いを常盤くんに話そう。
そう決意して、あたしはスマホをテーブルに伏せた。
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