4月③

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「─!?」 【なかなか連絡できなくてごめん。】 【今、電話してもいい?】 2通のメッセージの送信者は常盤くんではなく、郁哉だった。 郁哉から届いたそのメッセージで一気にテンションが上がり、あたしはすぐに【いいよ】と返信を送った。 すると、すぐに既読が付いてメッセージ画面が着信画面に変わり、郁哉の名前が表示された。 「…もしもし。」 『樹理亜さん?』 「うん。」 スピーカーから聞こえる大好きなひとの声に、胸がぎゅっとなる。 その優しい声もすごく好き。 『なにしてた?』 「お風呂から上がってのんびりしてたところ。」 『そっか。』 「郁哉は…電話してても大丈夫なの?」 『うん。少しなら。』 「学校どう?大変?」 『今のところはなんとかなってるけど、これから大変そう。』 「そうだよね…。」 『もっとメッセージ送ったり、電話したりしたいけど、やること多いし、時間も限られてるからそうもいかなくて。』 「仕方ないよ。」 『金曜日は家帰るから、土曜日、泊まりに行っていい?』 「もちろん。」 『やった。それまでまず頑張ろ。』 「うん。頑張って。」 『あ、同じ部屋の人達戻ってきたからそろそろ切るね。』 「わかった。」 『じゃあ、また。』 「…またね。」 あっという間に終わってしまった通話だけど、声が聞けただけでも十分嬉しい。 文字のやり取りだけのメッセージとは全然違う。 でも。なんとなく、元気がなかったように感じたのは気のせいだろうか。 慣れないことだらけで多分、疲れているのかもしれない。 ちょっと心配だけど、訊いてもきっと郁哉のことだから「大丈夫」と言うに違いない。 彼なりの意地とかプライドもきっとある。郁哉から言わない限り敢えて触れないでおこうかな。
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