157人が本棚に入れています
本棚に追加
「婚約指輪はともかく、指輪欲しいならねだってみればいいじゃない。消防学校行ってても給料って貰えるんでしょ?」
「貰ってるはずですけど、ねだるのはちょっと…。どのくらい貰ってるかも分からないし…。」
「そんなの気にしない気にしない。金沢が欲しいって言えば、末永くんならぜーったい買ってくれるから。」
「えー…、」
あっけらかんとした紗季さんの発言に、思わず苦笑いが零れる。
自分から指輪買ってなんて、言うのはなんだか違うんだよなぁ。
誕生日とかに何欲しいか聞かれて、『指輪が欲しい』って言うならまだしも。
「金沢は、もっとワガママになっていいんじゃない?年上だからって遠慮する必要ないと思う。末永くんだって、頼られる方が喜びそうだし。」
「…じゃあ、誕生日とかに思い切ってねだってみようかな。」
「誕生日、いいじゃない。おねだりする絶好のチャンス!」
「…頑張ってみます。」
「別に頑張るほどのことじゃないけどね〜」
紗季さんにクスクス笑われたから、「あたしにとってはハードル高いんですよ」と言い返してみた。
そして、そんなあたしの恋愛相談に花を咲かせながら、あたしと紗季さんはランチプレートを完食した。
最初のコメントを投稿しよう!