4月③

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郁哉との通話の余韻に浸っていると、また新着メッセージを知らせる通知音が鳴る。 もしかして、郁哉かな。 通話だけじゃ足りなくてメッセージもくれたかな? そんな期待を抱きながら、画面をタップしてみる。 【久しぶり。】 【常盤君から突然連絡きて、飲み会するとか言ってるんだけど】 【いつから常盤君とそんな仲になったの!?】 あたしの予想を裏切るメッセージ。 そのメッセージの送り主は、高校時代からの親友の小澤美久(おざわみく)だった。 どうやら、常盤くんは本当に美久にも連絡したらしい。 【久しぶり。偶然常盤くんに職場で会って、飲み会しようって言われて】 メッセージのやり取りだけじゃ長くなりそうだけど、とりあえず返信してみる。 すると、すぐに美久からまたメッセージがきた。 【だいたいの話は常盤くんから聞いた。】 【樹理亜とは積もる話もあるし、明日の夜仕事終わってから樹理亜の家行ってもいい?】 これは、あれこれ追求されるパターンかな。 美久とはメッセージや電話はたまにしていたけど、最後に会ったのは半年くらい前。 あたしも美久といろいろ話したいし、ちょうどいい。 【いいよ。明日待ってる】 返信を送ればすぐに既読が付いて、新たに美久からメッセージがくる。 【明日、仕事終わったら連絡するね】 あたしは【了解】という文字のついたキャラクタースタンプで返した。
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