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「今日は俺の誕生日前祝いって、言ってたよね?」
「そう、だけどっ、」
「なら、お祝いとして俺の言うこときいてくれてもいいじゃん?」
そうだ。明日は郁哉の誕生日。
でも、明日は会えないし、誕生日のお祝いをすることもできない。
だから、郁哉のリクエストで夜に手作り料理を振る舞って今日前祝いをすることにしているのだ。
でも。天気の良い日曜の午後から避妊具をいくつも消耗してこんなことしていたら、たとえ彼の方に余力があっても、こっちはいろんな意味でそれどころじゃなくなりそう。
「明日がきたら、しばらく週末だけしか会えなくなるんだから、目一杯充電させて。」
いつの間にか頬に触れていた手は解かれて、彼は胸元に顔を埋める。そして、もう何度も繋がったその場所にまたゆっくり指を這わせていけば、そこはまだ湿っていた。
「樹理亜さん、こんなしてるくせにだめなの?」
「あっ…、」
ふっと笑い、わざとらしく濡れた自分の指をあたしに見せてそれを口に含んだその姿は、4つも年下とは思えない。
かわいい顔してこういう時にめちゃくちゃ大人びたことをするから本当に手が悪いと思う。
「もう1回、するよね?」
「ん…、あっ、」
再びそこにやってきた指が器用にイイところを這うから、あたしの決意を鈍らせる。
そんな彼の誘惑に翻弄されて、抗えなくて、あたしは頷くしかなくて、結局また彼の熱に溺れた。
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