4月③

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「わかってないなぁ〜樹理亜は。」 「何が?」 「常盤くんのこと。」 「常盤くんのこと?」 「常盤くんの飲み会しようっていうのは絶対ただの口実。樹理亜に接近したいからだと思うよ?」 「なんで?」 「そりゃあ、樹理亜を気に入ったからでしょ。そうじゃなきゃ連絡先聞いたりしないよ。」 「えぇ?それはないと思うけど。」 モテ期とか常盤くんがあたしを気に入ってるとか、どう考えてもぴんとこない。 常盤くんに気に入られるほど自分はいい女だと思ってないし、常盤くんほどの素敵な人が女の子に不自由しているとは思えない。 「まぁ、そのうちわかる時がくるよ。もしかしたら、この先悩むことあるかもしれないけど、もし、なんかあったらいつでも相談乗るから。」 「あー…うん。わかった…。」 フッと笑ってアイスティーのグラスに口を付けた美久のその言葉の意味もわからずに、あたしはただそう返事をした。
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