4月⑤

3/9
前へ
/159ページ
次へ
「…今日、生理でよかったね。」 食すみたいな口付けの後、耳許に移動した郁哉の唇。吐息が混じった普段より低めのトーンで囁かれて、より身体の奥がジンとする。 「生理じゃなかったら俺、樹理亜さんをめちゃくちゃに抱いてたよ。」 「…っ…、」 耳許で囁かれて、ただでさえ敏感になっているのに、更に耳朶を何度も甘噛みされその度にぴくりと全身が反応して動く。 そして、耳朶から首筋に降りて行ったその唇に思い切り吸い付かれ、ピリッとした痛みが走った。 「俺を妬かせたらどうなるか、覚えといて。」 反対側の首筋にも唇を押し付けてきた郁哉は、同じようにそこに吸い付く。 「んっ、」 さっき以上の痛みが走って思わず声が漏れた。 首筋だけで終わると思いきやそれだけでは終わらず、郁哉のその唇はカットソーの衿ぐりに手を掛けてその周囲に唇や舌を這わす。 「…あ…っ、」 その動きが繊細で過剰に反応して、声が漏れたのと同時に身体がピクリと動いた。 その反応を見た郁哉は、口角を上げてふっと小さく笑う。 郁哉はあたしの性感帯を知り尽くしている。どんなふうに攻めたら反応するか、ちゃんと知っている。 だから、こうなるともう抗えない。 そして、いつも導かれるまま溺れる。 「下は触れないから、上だけ。」 郁哉は、ジャンスカの肩紐に手を掛けそれを腹部まで下げた後、カットソーとキャミソールを捲し上げ、スッとブラの隙間から指を侵入させて先端を捉え、器用に指を動かし始めた。
/159ページ

最初のコメントを投稿しよう!

63人が本棚に入れています
本棚に追加