4月⑤

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指で与えられる刺激は、身体中に伝わってじっとしていられず、自然と腰が浮いてしまう。 「ん…っ、あ…、」 「きもち、いい?」 指を動かしながらあたしを見下ろす郁哉の問い掛けに、コクコクと首を縦に振れば、口元を緩ませて「じゃあ、もっと気持ちよくなろっか」と言って、ブラを捲し上げてさっきまで指で触れていたそこに吸い付く。 「や…っ、ん、」   片方は指で攻められて、もう片方はわざとらしく音を立てながら口に含み舌で転がして刺激を与えられて。 その度にびくびくと身体が反応する。 「いく、や…、も…、だめ…、」 「胸だけでイきそ?」 「ん、」 「そっか。」 身体を起こしてあたしを見下ろす郁哉は、まるであたしがこうなると分かっていたみたいに不敵に笑う。 「じゃあ、もっともっと感じてイけばいいよ。」 そう言って再び胸元に顔を埋めた郁哉は、反対側に思い切り吸い付いた。 「あ、あ…っ」 卑猥な音と器用に動く舌と指。さっき以上に襲われる快楽におかしくなりそうで。 そして、身体の奥からなにかが押し寄せてくるみたいな感覚に、頭の中が真っ白になって何も考えられなくなり、いつの間にか意識が遠退いていた。
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