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通話を終え、ベッドに倒れ込んで突っ伏す。
郁哉も十分反則だ。
こんなの、もう何度もやり取りしてるのに、なんで未だに胸の音がうるさく騒ぐんだろう。
顔も身体も火照る。
声聞いたらますます会いたくなるから、だめかもしれない。
深い溜め息を吐いた後。
手に持っていたスマホが振動する。
画面を確認すると、新着メッセージを知らせる通知。
【今度ビデオ通話にしよ?】
【顔見れるし】
送信者は郁哉。
そのメッセージの内容を見て顔が緩む。
ビデオ通話なんて普段使うことないから思い付かなかった。
【ビデオ通話いいね】
【でもあまりやったことないから少し恥ずかしいかも】
仰向けになりながらすぐ返信する。
すぐ読んでメッセージをまたくれるかもしれないと思って、しばらく画面を眺めていたけど、既読は付かない。
消防学校は1日のスケジュールが決められているから、もしかしたらこの時間はもうスマホが見られないのかもしれない。
こればかりはどうにもならないから仕方ないけど、もう少しやり取りしたかったなぁ。
スマホを手放し、もう一度ベッドに突っ伏す。
郁哉と同じで、あたしも週末まで持たないかも。
早く会いたいな。
瞼を閉じて郁哉の姿を思い出しながら、そんなことを思っていた時。
手放したスマホが振動する。
郁哉かもしれないと、すぐにスマホを手に取り、画面を確認すれば新着メッセージを知らせる通知。
すぐにタップして開いてみる。
【飲み会来週の土曜日で大丈夫?】
送信者は郁哉ではなく、常盤くんだった。
いつだったかと同じパターン。
「また常盤くんかぁ…。」
つい心の声が出てしまった。
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