4月⑧

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昼休みに入りすぐ。 スマホを確認すると、新着メッセージが複数届いていて、確認するとそれは郁哉からのものだった。 【昨日ごめん】 【トレーニングのあと疲れて寝てしまって】 【飲み会の日了解】 【今日は電話できなそう】 【またあとでメッセージ送る】 送信時間は約30分前。 郁哉も昼休みなのだろうけど、そのメッセージの内容からなんだか忙しそうだった。 昼休みだからといっても必ずしものんびりできるとは限らないのだと、郁哉からちらっと聞いていた。 多分、今日はそういう日なんだと思う。 それでも、こうしてなんとか時間を見付けてメッセージをくれる郁哉は本当に優しい。 【返信は気にしないで】 【メッセージはいつでもいいから】 【勉強と訓練がんばってね】 あたしができることといったら、ただ「がんばって」と言って応援することだけ。 そして、こんなメッセージを送るしかできない。 郁哉はきっと十分過ぎるくらい頑張ってるはずで。 なのに、「がんばって」って言うのもなんだかな。 あたしの考え過ぎ? そんなことを思いながら、既読の付かない郁哉とのやり取りの画面を閉じた。
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