4月⑨

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肘を着き、身体を支えながらあたしを見下ろす郁哉は、あたしの耳元に唇を寄せた。 「すぐイくかもしんないけど、いい?」 「…いいよ。」 「俺、多分何回もするけど。」 「大丈夫。」 「ホントに?」 「うん。あたしも…郁哉といっぱいしたいから、いいよ?」 「樹理亜さん、煽んないで。マジでイきそうになるから。」 体勢を直した郁哉は、「動くよ」と言ってゆっくり動き出した。 初めはゆっくりだったその動きは、徐々に激しくなっていき、身体が揺さぶられる。 容赦なく繰り返されるその律動は、あたしをどんどん快楽の渦へと沈めていく。 与えられる快楽と、大好きな人に抱かれている幸福感が混じって、あっという間に何も考えられなくなった。
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